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ネットワーキングにおけるサービス品質(QoS)とは?

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ネットワーキングにおけるQoSとは?

サービス品質(QoS)とは、ネットワーク上で動作するメカニズムや技術を利用してトラフィックを制御し、ネットワーク容量が制限されている重要なアプリケーションのパフォーマンスを確保することです。QoSの実装により、企業は特定の高性能アプリケーションの伝送を優先させ、ネットワークトラフィック全体を制御することができます。

QoSは、一般的にリソース集約型システムにトラフィックを伝送するネットワークに適用されます。QoSを必要とする一般的なサービスには、インターネットプロトコルテレビ(IPTV)、オンラインゲーム、ストリーミングメディア、ビデオ会議、ビデオオンデマンド(VOD)、ボイスオーバーIP(VoIP)などがあります。

ネットワークに QoS を実装することで、企業はネットワーク上の複数のアプリケーションのパフォーマンスを最適化し、ネットワークのビットレート、遅延、ジッター、パケットレートを可視化することができます。これにより、ネットワーク上のトラフィックを設計し、インターネットや他のネットワークへのパケットのルーティング方法を変更することで、伝送の遅延を回避することができます。また、企業は、アプリケーションに期待するサービス品質やユーザーエクスペリエンスを実現することができます。

QoSの主な目的は、ネットワーク上のトラフィックに優先度をつけることです。これには、専用帯域の確保、ジッターの制御、レイテンシーの低減などが含まれます。これを実現する技術は、ビジネスアプリケーション、広域ネットワーク(WAN)、サービスプロバイダネットワークのパフォーマンスを向上させるために不可欠です。

QoSの動作の仕組み

QoS ネットワーキング技術では、パケットをマーキングしてサービスタイプを識別し、ルーターを設定して、優先度に基づいてアプリケーションごとに個別の仮想キューを作成します。これにより、優先的なアクセスが割り当てられた重要なアプリケーションやWebサイトに帯域幅が予約されます。

QoS技術では、ネットワークトラフィックの特定のフローに容量と処理を割り当てます。これにより、ネットワーク管理者は、パケットの処理に優先度を割り当て、各アプリケーションやトラフィックフローに適切な帯域幅を確保することができます。

ネットワークトラフィックタイプ

QoSネットワークソフトウェアの仕組みを理解するには、QoSが測定するさまざまなトラフィックタイプの定義を理解する必要があります。定義は以下の通りです。

  1. 帯域幅:リンクの速度。QoSでは、ルーターに帯域幅の使用方法を指示することができます。例えば、トラフィックタイプごとに異なるキューに一定量の帯域を割り当てるなどです。
  2. 遅延:パケットが送信元から宛先に到達するまでにかかる時間。混雑時に発生するキューイング遅延の影響を受けることが多く、パケットは伝送されるまでキュー内で待機します。QoSの実装により、特定の種類のトラフィックに優先キューを作成し、これを回避することができます。
  3. ロス: パケットロスによって失われるデータ量。通常はネットワークの混雑時に発生します。QoSでは、混雑時にドロップさせるパケットを指定することができます。
  4. ジッター:混雑によってネットワーク上のパケットの速度が不規則になり、パケットの到達遅延や、順序のズレが生じること。これにより、配信される音声や映像に歪みやズレが生じることがあります。
サービス品質(QOS)とは?

QoSの使い方

QoS の実装では、まず初めに、企業にとって重要なトラフィック、大量の帯域幅を使用しているトラフィック、レイテンシーやパケットロスの影響を受けやすいトラフィックタイプを特定します。

これにより、企業はネットワーク上の各トラフィックタイプのニーズと重要性を理解することで、総合的なアプローチを設計できるようになります。例えば、ある企業は特定のサービスのみに帯域幅制限を設定する必要があるかもしれませんし、別の企業はすべてのサービスのインタフェースとセキュリティポリシーに帯域幅制限を設定し、トラフィックレートに応じて重要なサービスを優先的にキューイングする必要があるかもしれません。

次に、企業はトラフィックを分類し、最も重要なアプリケーションの可用性と一貫性を確保するポリシーを実装します。トラフィックは、ポートやインターネットプロトコル(IP)ごと、あるいはアプリケーションやユーザーごとなど、より高度なアプローチで分類することもできます。

トラフィックがネットワークに到着したときに割り当てられる分類に基づいて、帯域幅管理ツールとキューイング管理ツールにトラフィックフローを処理するための役割が割り当てられます。トラフィックフロー内のパケットは、ネットワークに処理されるまで格納されます。優先キューイングは、重要なアプリケーションやトラフィックに必要なネットワークのパフォーマンスと可用性を確保し、レイテンシーを最小化します。ネットワークの運営で最も重要なことは、優先度の低いトラフィックによって帯域幅を枯渇させないことです。

帯域管理では、ネットワークインフラのトラフィックフローが容量を超えないように測定・制御し、混雑を防止します。これには、パフォーマンスを最適化または保証し、使用可能な帯域幅を増加させるレート制限技術であるトラフィックシェーピングの使用や、複数の方法で特定のトラフィックフローに帯域幅を供給するスケジューリングアルゴリズムの使用が含まれます。

QoSが重要である理由

従来のビジネスネットワークは、個別に運用されていました。電話や電話会議はあるネットワークで処理され、ノートパソコンやデスクトップ、サーバーなどの機器は別のネットワークに接続されていました。コンピュータがインターネットにアクセスするために電話回線を使用しない限り、これらのネットワークが交差することはほとんどありませんでした。

ネットワークがデータのみを伝送していた時代には、スピードはそれほど重要ではありませんでした。しかし現在では、オーディオやビデオコンテンツを運ぶインタラクティブなアプリケーションは、パケットロスや配信速度の変動を発生させることなく、高速で配信されなければなりません。

QoSは、多くの帯域幅を必要とする重要なアプリケーションのリアルタイムトラフィックにおいて、高いパフォーマンスを保証するために特に重要です。例えば、QoSによって、VoIPやビデオ会議など、最低帯域幅の要件や最大レイテンシーの制限があり、ジッターやレイテンシーの影響を受けやすい「非弾力的」アプリケーションのパフォーマンスを優先させることができます。

QoSによって、ユーザーが求めるレベルのパフォーマンスを確保しながら、こうした影響を受けやすいアプリケーションの遅延を防ぐことが重要です。例えば、パケットロスが発生した場合、ストリームに遅延が発生し、ビデオ会議の音質や映像が乱れ、内容が理解できなくなってしまうからです。

近年、ネットワークユーザーの増加やネットワークパフォーマンスの要求の多様化に伴い、QoSの重要性が増しています。最新のオンラインアプリケーションやサービスは、膨大な帯域とネットワークパフォーマンスを必要とし、ユーザーは常に高いパフォーマンスを求めています。そのため、企業は最高のサービスを保証する技術やテクノロジーを実装する必要があります。

また、モノのインターネット(IoT)の成熟化に伴い、QoSの重要性はますます高まっています。製造業では、機械をネットワークに接続し、潜在的な問題をリアルタイムで検知しています。このように、IoTネットワークでは、フィードバックの遅れが大きな損失をもたらします。しかし、QoSを実装すれば、ネットワーク上でデータストリームを優先させ、情報をできる限り迅速に伝送することができます。

現在、都市には、スマートビルなどの大規模なIoTプロジェクトの実行に欠かせないスマートセンサーがあふれています。湿度や温度など、収集・分析したデータをいち早く利用するためには、識別、マーキング、キューイングを適切に行う必要があります。

QoSで使われるテクニックとベストプラクティスとは?

テクニック

最も重要なアプリケーションの高いパフォーマンスを保証するために企業が使用できるテクニックは、以下の通りです。

  • ルーターとスイッチを通過する遅延の影響を受けやすいVoIPトラフィックの優先度付け:多くの企業のネットワークは混雑状態にあります。ルーターやスイッチが処理能力を超えるパケットを受信すると、パケットをドロップし始め、ストリーミングアプリケーションに問題が生じます。しかし、優先度付けによって、優先度の高いパケットを他のトラフィックよりも優先的に伝送することができます。優先度付けでは、トラフィックを分類して、トラフィックのタイプと宛先に応じて異なる優先度を付けます。
  • リソース予約:リソース予約プロトコル(RSVP)は、ネットワーク全体のリソースを予約して、アプリケーションのデータストリームに特定のレベルのQoSを提供するトランスポート層プロトコルです。リソース予約では、トラフィックタイプやソースによってネットワークリソースを分割し、制限を定義し、帯域を保証することができます。  
  • キューイング:キューイングは、特定のデータストリームを他のデータストリームより優先的に扱うポリシーを作成するプロセスです。キューとは、ルーターやスイッチに搭載された高性能なメモリバッファのことで、通過するパケットを専用のメモリ領域に格納します。より高い優先度が割り当てられたパケットは、より高速なデータレートでプッシュする専用のキューに移動するため、パケットがドロップされる可能性が低くなります。例えば、ネットワーク帯域の大部分を占める音声トラフィックを優先するポリシーを割り当てた場合、ルーティングまたはスイッチングデバイスは、このトラフィックのパケットとフレームをキューの先頭に移動させて瞬時に伝送します。
  • トラフィックのマーキング:ネットワーク上の他の帯域幅よりも優先されるアプリケーションが特定されると、そのトラフィックはマーキングされます。これは、データストリームのレイヤー2フレームヘッダーにマークを付けるCoS(Class of Service:サービスクラス)、データストリームのレイヤー3フレームヘッダーにマークを付けるDSCP(Differentiated Services Code Point:DiffServeコードポイント)などのプロセスを使用して実行されます。

ベストプラクティス

これらのテクニックに加えて、企業がQoSの要件を決定する際に覚えておくべきいくつかのベストプラクティスもあります。

  1. パケットの過剰なドロップを防ぐため、送信元インタフェースおよびセキュリティポリシーの帯域幅の上限を低く設定しすぎないようにしてください。
  2. レイテンシーレベル、キュー配分、パケットの割り当てに影響を与える可能性があるため、利用可能なキューに分配されるパケットの比率や、どのサービスがどのキューを使用するのかを検討してください。
  3. 帯域保証を特定のサービスにのみ適用し、トラフィック量が多い場合にすべてのトラフィックが同じキューを使用するのを回避してください。
  4. 分析およびトラブルシューティングが容易にするために、サービスベースまたはセキュリティポリシーいずれかに基づいて、すべてのトラフィックに優先度を付けてください。
  5. 高いパフォーマンスを確保するために、QoS構成の複雑さを最小限に抑えてください。。
  6. 正確なテスト結果を得るために、ユーザーデータグラムプロトコル(UDP)を使用して、帯域幅のスループットを超えないようにしてください。

QoSの利点

QoSの実装は、ビジネスに不可欠なアプリケーションの可用性を確保したいと考える企業にとって非常に重要です。QoSは、特定の帯域幅を確保し、トラフィックフローの中断やパケットロスを発生させることなくデータ伝送を行うために必要不可欠です。QoSを実装する主なメリットは以下の通りです。

  1. 無制限のアプリケーション優先度付け:QoSは、企業の最もミッションクリティカルなアプリケーションが常に優先され、高いパフォーマンスを達成するために必要なリソースを保証します。
  2. リソース管理の向上:QoSは、管理者によるインターネットリソースのより良い管理を可能にし、コストやリンク拡張のための投資を削減します。
  3. ユーザーエクスペリエンスの向上:QoSの最終的な目標は、重要なアプリケーションの高いパフォーマンスを保証し、最適なユーザーエクスペリエンスを提供することです。従業員は、広帯域のアプリケーションで高いパフォーマンスを享受し、より効果的に、より迅速に仕事をこなすことができます。
  4. ポイントツーポイントのトラフィック管理:エンドツーエンド、ノードツーノード、ポイントツーポイントなど、トラフィックがどのように配信されるかにかかわらず、非常に重要です。後者の場合、企業はパケットロスを発生させることなく、インターネットを介してある地点から次の地点へと順番にパケットを配信することができます。
  5. パケットロスの防止:パケットロスは、ネットワーク間でデータパケットを伝送する際に、データパケットがドロップすることで発生します。これは多くの場合、障害や非効率性、ネットワークの混雑、ルーターの故障、接続の緩み、信号の弱さなどが原因で発生します。QoSは、高性能アプリケーションの帯域幅を優先することによって、パケットロスを回避します。
  6. レイテンシーの軽減:レイテンシーとは、ネットワーク要求が送信元から宛先に伝送され、宛先がそれを処理するのにかかる時間です。これは通常、情報の解析に時間がかかるルーターや、中間スイッチやブリッジのストレージ遅延の影響を受けます。QoSによって、企業は重要なアプリケーションに優先度を付け、レイテンシーを減らし、ネットワーク要求の処理を高速化できます。

QoSによってパフォーマンスを保証する

QoS は、最も重要なアプリケーションやサービスの最高のパフォーマンスを保証したいと考えるすべての企業にとって、非常に重要なものです。VoIP、ビデオ会議、そして最近ではストリーミングサービスなど、広帯域のソリューションがレイテンシーや ラグに悩まされないようにするためには、QoS が不可欠です。

QoSを実装することにより、企業はトラフィックとリソースに優先度を付け、特定のアプリケーションやサービスが提供できるパフォーマンスを保証することができます。また、異なるアプリケーション、データフロー、 ユーザーに優先度を付け、ネットワーク全体で最適なレベルのパフォーマンスを得ることができます。

フォーティネットのFortiGate SD-WANは、SD-WANの詳細と、SD-WANで高性能ネットワークを拠点全体に展開する方法については、こちらをご覧ください。

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