保存版!なぜ情報漏洩が起きる?
6つの対策でリスクを防ぐ
企業や組織の信用性を脅かすリスクとして、個人情報や社外秘などの機密情報の漏洩、情報流出が挙げられます。
一度でも企業が情報漏洩を起こしてしまうと、企業としての社会的な信頼を失ってしまうだけでなく、多額の賠償金の請求など金銭的な負担も発生してしまう恐れがあります。更に、取引の停止なども余儀なくされ、売上に影響を与えたり、業務に支障をきたしたり、企業の生産性も落ちてしまうことから、コスト面において大きな影響を与えることになるでしょう。
このようなことを事前に防ぐためにも、情報漏洩対策は組織にとって必須です。しかし、情報漏洩対策に取り組むにあたっては、情報漏洩事故の原因を詳しく学び、頭に入れておくことも大切です。
この記事では情報漏洩の原因を理解した上で、情報漏洩において必要な対策を徹底的に解説していきます。
まずは情報漏洩の原因はどのようなものがあるのかについて、具体的に4つに分けて発生率が高い順に解説していきます。予想外の原因が、情報漏洩問題を引き起こす原因の大半を占めているかもしれません。
情報漏洩というと、ハッキングや不正アクセスなどを連想する人が多いのではないでしょうか。しかし、実はパソコンや携帯などのデバイスの紛失や置き忘れといったミスが、情報漏洩の原因の割合の中では大半を占めているのです。
昨今生産技術の進歩によって端末の小型化・軽量化が進んだ結果、パソコンなどの持ち運びが容易になりました。更に、新型コロナウイルスの感染拡大による働き方改革が普及し、リモートワークを推奨する企業が著しく増加し、社外に端末を持って行き仕事をする人が非常に増えました。
したがって、カフェやコワーキングスペースで業務を行なった際の置き忘れ、移動中の紛失をしやすくなってしまったのです。
テレワークは新しい時代に合った働き方として注目を集める一方、セキュリティリスクが懸念される勤務形態とも言われていますが、時代と働き方の進歩、社会情勢に合わせて業務を効率化するためには、それぞれがセキュリティに対して意識を持った行動をしなければなりません
ITシステムの誤操作やメールの誤送信は、前述した紛失・置き忘れの次に発生率が多い原因とされています。これも、故意的ではない人間のミスによって起きてしまうものです。
特に多いと言われているのが、メールの誤送信です。送信先や送信設定の間違い、「BCC」「CC」「TO」の設定ミス、添付ファイルの間違いにより、個人情報を流出させてしまうケースなどが代表的な例です。
しかし、それだけでなくFAXの誤送信も同じくらい発生しています。企業によっては、外部とのやりとりにおいてFAXを多用しているところもあります。
メールやFAX以外でも、外部とのやり取りでは様々なツールを使うことが多いかと思いますが、使い方には充分に気を付けなければなりません。
マルウェア感染や不正アクセスは紛失や置き忘れと誤操作に次いで3番目に多い原因です。マルウェアというのは、デバイスの不具合や情報漏洩を意図的に引き起こす悪質なソフトウェアのことを言います。不正アクセスとは、アクセス権限を持たない第三者がサーバーに不正に侵入することを指し、侵入成功後はシステムを乗っ取ったり機密情報を盗んだりする行為に及びます。
マルウェア感染や不正アクセスは、スパムメールや悪質なWebサイトの閲覧などが主な感染経路とされています。感染してしまうと、機密情報の流出、悪用など多くのリスクに晒される可能性があります。
次に情報漏洩が起こる原因として割合が大きいのが盗難です。直接、会社など目当ての場所に侵入し、機密情報を含む書類やUSBメモリをコピーしたり盗まれたりします。更に、パソコンやスマートフォンなどの端末、USBメモリが置き引きなどの被害に遭うケースも珍しくありません。パスワード設定されていない情報機器や書類が盗難に遭ってしまうと、大きな被害に繋がります。
この見出しにて情報漏洩をもたらすにあたって4つの原因を述べましたが、実は外部からの攻撃である不正アクセスやウイルス感染、マルウェア感染全体の2割程度に留まり、紛失・置き忘れや誤作動が、全体の約5割を占めていることが明らかになりました。
更に、不正な情報持ち出しや内部での不正行為、内部の悪意ある人物からの盗聴が原因となる場合もあります。つまり、情報漏洩は、外部からの脅威ではなく、内部不正や人的なミスなど企業内部からの脅威がより大きな原因を締めていることを理解しておくようにしましょう。
情報漏洩をもたらしてしまう原因を理解できたところで、次の見出しでは、これらの原因をもとに、情報漏洩にはどのような対策をしたら良いのかについて詳しく述べていきます。
組織や企業で経営するにおいて最も重要なものは社会的信用とも言えます。情報漏洩は企業が長い間培ってきた信用を失うことになります。よって、情報漏洩を未然に防ぐことはビジネスにおいても最優先事項といえるでしょう。この見出しでは情報漏洩を防ぐための6つの対策について解説していきます。
端末などのデバイスに対してセキュリティソフトの導入は必ず必要です。セキュリティソフトを活用することで、例えば会社内において社内ネットワークへの不正な接続を検知したり、アップロードされたファイルの記録を管理したりできるので、これが大きな対策になります。また、セキュリティソフトだけでなく、OSやアプリケーションのアップデートもこまめに忘れず行うようにしましょう。
組織での情報管理において、明確に情報セキュリティポリシーを作成することは非常に重要なことです。そもそも情報セキュリティポリシーとは何かと言うと、経営資源とされる情報を保管するためのルールのようなものです。情報セキュリティポリシーとして方針や基準をしっかりと定めた上で、具体的に対策やルールを定めてマニュアル化する必要があります。
例えば個人情報が記載されている顧客ファイルや重要書類などは鍵のかかるキャビネットに施錠し保管するようにし、文書を電子データ化する場合は、パスワードの付与や閲覧権限の設定を必ずするなど、業務に支障が無いようにしながら、情報の管理に関するルールは組織内でしっかり定めて守るようにすることが重要なのです。
少々細かいと思われるようなことでも、明確な情報セキュリティポリシーを策定することで、組織全体で情報の管理意識が高まることから、人的ミスも大幅に減らすことができるはずです。
前述した情報セキュリティポリシーの作成に似ていますが、業務においての情報データの持ち出しについても明確なルールを作成する必要性があります。
前の見出し内にもある通り、情報漏洩は外部からの脅威によって引き起こされるよりも、人的ミスの方が多いことが分かっています。したがって、特にリモートワークを推奨している企業であれば尚更、情報の持ち出しについてのルールの策定は必要不可欠と言えます。
VPNとは「Virtual Private Network 」(仮想プライベートネットワーク)の頭文字をとった略語で、インターネット接続とオンラインのプライバシーを守るシステムのことを言います。VPN接続は、仮想的な専用トンネルを構築することで確立されます。
昨今、ビジネスのデジタル化やテレワークの普及によりインターネット接続はなくてはならないものです。そのような状況下で、ウイルス感染や不正アクセスというのは主にネットワークを経由して発生することから、VPNを導入することによるネットワークセキュリティの強化が求められます。
通信パケットの暗号化や、クローズドネットワークという閉域網を介した通信により、情報の窃取や不正アクセスを防止することが可能です。
また組織内や会社内にてVPNサーバーを構築すると、内部の人間がインターネットに接続する時にLANを経由することを強制できます。よって、外部からのアクセスもセキュリティシステムに組み込むことができるのです。
メール誤送信防止システムとは、その名の通り、メールを送信する時の人的なミスによる誤送信を防止できるというシステムです。例で言うと宛先のチェックの義務化や、権限設定を与えられたユーザーのみがメールに対して返信できるなど、誤送信を防ぐための機能が備えられているので、安全です。
前の見出しで、確率の高い情報漏洩の原因の一つとしてメールの誤送信が挙げられていました。BCCやCCなどの設定ミスや送信ミスを未然に防ぐためにも、メール誤送信防止システムを導入すると良いでしょう。セキュリティ管理と監視力を高めることが可能です。
このように便利かつ安心なシステムが普及しているのは良いことなのですが、システムばかりに頼るのではなくあくまでもシステムは保険として考えて、送信時の宛先のチェックなどは徹底して行い、人的なミスは極力起こらないように一人一人が心がけることが大切です。
情報管理の最適化は企業経営において非常に重要な意味をもちます。社内や取引先との個人情報や機密性の高い情報の共有をクラウドストレージによって行えば、個人情報をデバイスに入れて持ち歩く必要もありません。更に、わざわざリスクの高いメールでの添付という形での情報共有をする必要性もなくなります。アクセス権限設定やユーザー認証などのセキュリティ機能を活用することで、情報漏洩リスクを最小限に抑えることが可能です。
今回の記事では、個人情報漏洩の要因やそれを防止するための対策について詳しく解説しました。要因や対策を知ることでどのようなリスクに備えたらよいのか理解を深められたのではないでしょうか。
機密情報は、例え上記のような情報漏洩対策を徹底したとしてもなお、流出してしまうリスクとは常に隣り合わせなのが現状です。物理的な持ち出しや外部からの悪意ある攻撃、機器や書類の置き忘れ、ルールの甘い策定など、重大な情報が流出してしまうルートは実に多岐にわたります。
この記事で、情報漏洩に対して少しでも危険性や重要性を感じられたようであれば、個人のセキュリティに関する意識も高め、組織内の情報漏洩の対策状況を今一度見直してみましょう。そして、現在の対策状況に不十分さがある場合には、リスクヘッジのためにも再度対策を練り直してみるのも良いかもしれません。
セキュリティソフトやシステムの導入、個人や組織での意識向上などできることから行動に移し、安心して業務に取り組める環境づくりを作り上げていきましょう。