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GIGAスクール構想の問題点!

現状の取り組みと課題について


2019年12月に文部科学省がGIGAスクール構想を発表して以降、実現に向けてさまざまな取り組みが進められています。
しかし、GIGAスクール構想の実現にはまだまだ多くの課題が存在しています。

今回は、GIGAスクール構想の現状の取り組みや問題点を始め、解決策についても解説します。

◆ GIGAスクール構想の現状の取り組み

文部科学省の発表によると、生徒に配布する情報端末の調達については、令和3年7月末時点で全自治体等の96.2%にあたる1,744自治体等の公立の小学校や中学校、
特別支援学校等への納品がすでに完了しています。それを受け、各自治体ではすでにGIGAスクール構想の実現に向けた取り組みがスタートしています。

令和3年度以降の取り組みとしては、ハード面では校内ネットワークの整備、人材面では教師のICT指導能力の向上、ソフト面では学習指導要領の見直しやデジタル教材の準備、
システムの全国展開などが検討・準備されています。

引用:文部科学省「端末利活用状況等の実態調査(令和3年7月末時点)(確定値)」

 

◆ GIGAスクール構想の問題点

IGAスクール構想への取り組みが進められる一方、現状では多くの問題が発生しています。
ここでは、具体的に挙げられている問題点をご紹介します。

◇ 教育面に関する問題点

まずは、教育面に関する問題点からご紹介します。

教員のITリテラシーの低さ

GIGAスクール構想の実現に向けては、教育者となる教員側にも一定以上のITリテラシーが求められます。
子どもの頃からパソコンやスマートフォンに慣れ親しんでいる若い教員も増えていますが、ベテランの教員になるほどIT機器を使いこなすのが難しい傾向が出ています。
忙しい日々の業務をこなしながらどのようにITリテラシーを高めていくかが今後の課題です。

クラウド活用推進

教員の働き方改革も大きなポイントになっています。生徒の成績や健康データ、行事のスケジュール、教員の勤怠などにおいては、いまだにアナログな管理が続いている教育現場が多数です。
クラウドサービスを利用してそれらを成績管理ツールや学習支援ツール、グループウェア等に置き換え、より効率的に校務をおこなえるようにすることも急務です。

動画コンテンツを活用した授業

今後の教育においては、動画コンテンツの活用も求められています。生徒に合わせて教育に適した動画コンテンツを検討すること、また教員が自らコンテンツの良し悪しを判断していくことも必要となるでしょう。
「YouTube/NHK for School」など教育用の動画コンテンツ作成の取り組みも進められているので、うまく活用していくことも大切です。

引用:YouTube/NHK for School


◇端末の運用に関する問題点

次に、端末の運用に関する問題点をご紹介します。

1人1台端末及び高速大容量の通信ネットワークの一体的整備

端末の調達はおおむね完了していますが、どのように端末を行き届かせるのかの検討や取り組みは引き続き必要です。
配布した端末をスムーズに使うためにも、高速大容量の通信ネットワークを整備し、特別な支援が必要な生徒を含め、全員が取り残されることなく資質・能力を伸ばせる環境を作る必要があります。

校内通信ネットワーク(校内LAN)整備

GIGAスクール構想の実現には、学校内のネットワーク環境整備が不可欠です。数十台〜数百台といった端末を同時接続しても耐えられるネットワーク環境を整備しないと授業を円滑に進められません。しかし、インフラ面をすぐに整えることは難しいため、計画的にネットワーク環境の整備を進めていくことが求められます。

生徒の端末使用ルールの規制

配布する端末は学習で使うためのものですが、何もルールを設けないと、ゲームや動画、SNSなどに生徒が使用してしまうおそれがあります。
使用方法のルールはもちろん、自宅で使用中に壊れたときの責任など、あらゆるトラブルの発生を考慮して運用ルールを検討していく必要があるでしょう。

通信遅延や障害

ネットワークを利用する以上、通信遅延や障害の発生はつきものです。生徒が安定したネットワーク環境でICTを活用した学習を行えるよう、ネットワークのトラブルをできる限り抑えられる環境を整備し、万が一トラブルが発生した際に迅速に復旧作業に取りかかれるよう体制を整えておく必要があります。


◇セキュリティに関する問題点

最後にセキュリティに関する問題点です。

サイバー攻撃の対策

ITリテラシーが高くない生徒や保護者も利用することから、フィッシングサイトやマルウェア感染により情報漏洩が発生する可能性があります。
また、GIGAスクール構想は政府機関によって内容が公に出るケースが多く、取り組みを進めていく最中にサイバー攻撃者の標的になる可能性もあります。
いかにサイバー攻撃を防ぐ対策を実施するかは重要な検討事項の一つです。

SINET6接続

大学などの高等教育機関や研究機関では「SINET」という学術情報ネットワークが活用されており、GIGAスクール構想での利用も検討されています。
現在提供されている「SINET6」のサービスでは、回線帯域の確保やセキュリティ強化、国際接続の強化などが施されています。
いかにSINET6を活用し、安全かつ安定したネットワーク環境を構築できるかも大きな検討ポイントです。

自宅等、外部からの校内ネットワークアクセス

自宅での学習に備え、自宅や外部からのリモートアクセス環境を整える必要があります。
外部のネットワークからの接続を許可することになるため、不正アクセス・ログインを防止するためのセキュリティツールが必須です。
どのようなセキュリティツールを導入し、リモートアクセス環境を整えるのかも重要な検討事項となります。

 

◆ そもそも日本のICT教育は世界から遅れている?

学校の授業におけるデジタル機器の使用時間がOECD加盟国中最下位であるなど、日本のICT教育は世界と比べると遅れをとっている状況です。

遅れの一因として挙げられるのは、予算の確保の問題です。端末の調達や校内のネットワーク環境の整備、セキュリティ対策などには費用が必要ですが、少子高齢化の影響から国は高齢者向けのサービスへの予算投入を優先している状況です。

世界から遅れることなく、ICT環境の整備を進めるためには、GIGAスクール構想に基づき、しっかりとした予算を投入していく必要があります。

 

◆GIGAスクール構想の問題点を解消する方法

ここまで解説したGIGAスクール構想の問題点は、どのようにすれば解決できるのでしょうか。
そのポイントを2つ解説します。

一元管理による運用負荷の軽減

配布した端末は、MDMなどのツールを活用してデバイスの管理(使用状況、設定の変更など)を一元的におこなうと良いでしょう。
ネットワーク環境においても、SDNやSD-WANによって最適化されたネットワークに自動で切り替えることにより、管理コストや通信費のコスト削減につながります。

教員が生徒と向き合える時間を作れるよう、各種ツールや機能を用いて端末やネットワークを一元管理し、業務の負担を軽減していく必要があるでしょう。

セキュアアクセスの自動化

セキュリティを確保するため、校内のネットワークにおいては複数のセキュリティ機能が統合されているUTM機器を設置し、不審な通信を自動で遮断できる環境を構築する必要があります。

また、校外からのアクセスについてはVPNやクライアント証明書、セキュリティトークンなどによる認証を利用したセキュアなリモートアクセス環境の整備が必要です。

 

◆フォーティネットが提供するネットワークソリューション

GIGAスクール構想の実現においては、ここまでご紹介してきた問題点や課題を適切に対処しながら、取り組みを進めていく必要があります。各種ツールの導入も必要不可欠です。フォーティネットでは、GIGAスクール構想の実現をサポートするさまざまなネットワークソリューションを提供しています。

最後に一部の製品に関する情報をご紹介します。

FortiGate

フォーティネットのFortiGateは、ルーティング機能も兼ね備えた次世代型のファイアウォール製品です。
ファイアウォールの機能により不審な通信を遮断します。幅広い製品ラインナップを揃えており、さまざまな環境においてシームレスに導入可能です。

FortiGate:次世代ファイアウォール(NGFW)

SD-WAN

フォーティネットのSD-WANは、業界で唯一のSD-WAN ASICを搭載し、大規模SD-WANのトランスフォーメーションと保護を実現しています。
導入、構成、継続的な運用を一元的に管理し、完全な可視性、分析、レポートの提供まで可能です。

セキュアSD-WAN:アプリケーション識別型マルチパスWANコントローラとNGFWセキュリティ

SD-Branch

フォーティネットのSD-Branchは、複数拠点のネットワーク全体にSD-WAN機能を拡張するソリューションです。
ネットワークとセキュリティの融合によって、業界で最も安全なLANソリューションを提供し、すべてのLAN、WAN、およびセキュリティ要素を一元管理し、制御できます。

セキュア SD-Branch

FortiToken(VPN)

フォーティネットのFortiToken(VPN)は、ハードウェアを追加することなく、セキュアなVPN接続を可能にするソリューションです。
二要素認証によって、パスワードだけの認証に比べて極めて強力なセキュリティを実現します。

FortiToken Mobile:ワンタイムパスワードアプリケーション